ドールハウス教室での出来事 その2

ここ数日はゆっくりと仕事が出来ていますので、久しぶりに教室ネタを掲載します。
生徒さんのお写真は撮りためているのでご紹介したいのですが、今回は教室だけではなく
ネットでも多数ご相談いただく「ドールハウスキットあるある」をご紹介します。

ドールハウス好きの方は海外でキットなどを衝動買いされることが多いようで、
その際のよくあるトラブルと言いましょうか、後悔と言いましょうか・・・
弊社の場合もドイツのミニマンダス社の正規代理店としてドールハウス関連は
輸入販売しておりますが、ドールハウスキットは仕入れることがありません。
理由は簡単で「重量物となり送料が高くなる」からです。
ドイツでもドールハウスの壁面の主流は、反りなどがないMDF材を使います。
しかしこのMDF材、総重量が非常に重いのです。
ですので海外メーカーの場合、輸出用ドールハウスキットはベニヤキットが多いのです。
同じく直接海外で買い付けた場合、ほとんどの方はベニヤのキットを購入されます。
※ちなみにベニヤのキットはMDFキットの半値程度で購入できます。

さて、そんなベニヤキットの場合、軽量で安価ではありますが、いくつかの問題点もございます。

まず第一に、厚みが足りないことです。

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全世界の国際基準に合わせているドールハウスメーカーの場合、ドアや窓、その他部材類は
基本的に壁面の厚さを1cmに合わせているものが多いのですが、
ベニヤの場合3~6mm厚が多く、ドアなどが数ミリ飛び出してしまうのです。
従って厚みに合わせて加工が必要となります。
しかし部材の加工は思った以上に大変です。
そこで壁面を補強し、厚みを1cmに合わせるようにします。
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構造が複雑なドールハウスキットの場合はとても大変ですが、これで市販されている部材類が
使えるようになります。

しかし、まだ問題はあります。
次にベニヤキットの場合は、上記写真にもあるようにレーザーカットされた木材を
抜いて窓やドア、装飾パーツを使っていくのですが、ベニヤの材質上、細かな装飾は出来ません。
従って非常におもちゃ感の強い部材となってしまいます。
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写真は両扉のドアです。
せっかくの大作を作るのに、ドアがこれでは完成後の満足度は40%程度です。
上記にもあった壁面の補強も加わったことですのでミニマンダス社のドアを付けます。

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これで世界観はぐっと良くなったと思います。
他にもベニヤキットで作った階段や暖炉などは仕上がりが工作レベルになってしまい、
結局満足できずご相談に来られます。
最近ではドールハウスリフォームが増えてきました。

もし海外でキットを買ったのにそのまま作らずホコリをかぶっていたり、
仕上がりに満足いかない場合などございましたらお気軽にご相談くださいませ。

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